「人の話を聞く」

 人の話を聞くということは大変難しいことです。

 いいかげんに聞くのならこんな簡単なことはありません。

 いいかげんに聞いている人はすぐにわかります。

 少し返事がずれて返ってくるからです。

 そんな人に何を話しても無駄です。

 ただ疲れるだけのことではないでしょうか。

 だが、もしかして、自分も人からそう思われているのかもしれません。

 人の話を聞くためには、おもいやりという大きなやさしさが必要です。

 おもいやりとは、相手の気持ちになりきって相手の心に耳を傾けることです。

 思いやりとは人を助ける心です。

 人の話を聞くためには、もうひとつ大切なことがあります。

 それはその人から何かを学ぼうという心です。

 人から学ぼうという心は、謙虚な心になると自然に出てくる心です。

 諺に「愚者は賢者からも学ぼうとしないが、賢者は愚者からも学ぶ」とあります。

 この二つは人間として最も大切な心ですから、立派な人ほど人の話をよく聞けるのではないでしょうか。

 「最もよく知っている人が最後にものを言う」という諺もあります。