「本ものは苦しみから」

 赤ちゃんは一所懸命に泣いて生まれてきます。

 母親の胎内に比べて現実は厳しいのかもしれません。

 そして死ぬ時は、人生を誠実に生きた人ほどやすらかないい顔をして死んでいきます。

 人間は一体何のために生まれてきたのでしょうか?

 この問いに答えられる人は今までに誰もいませんでした。

 この世には5つの苦しみがあるといわれます。

 それは、生きるための苦しみ、病の苦しみ、老の苦しみ、死の苦しみ、愛別の苦しみです。

 科学がどんなに進んでも、人間から苦しみを取り除くことはできません。

 それは生きるためには苦しみは必要なものであるからではないでしょうか。

 苦しみがあるから人間は磨かれます。

 人は誰でも幸せになると、自己中心的になりやすいものです。

 貧しい家から親孝行な子が出て大成功をしたり、また苦しみと闘いながら良い作品というものは創られてきました。

 楽々の中からは決して本物は生まれてはきません。

 しかしただ苦労をすればよいというものではありません。

 人のためを思い、そして人のために苦しむ時に自分自身が本物に磨かれて、そして本物の仕事ができるものではないでしょうか。

 苦しみにうち勝って来た人は、やすらかなとてもいい顔ができあがっています。

人間は働くために生まれてきた

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