「迷路にはまる人」
犬をつれて狩に行ったとき、打ち落とした鳥を草むらで見失うことがあります。
犬は賢い本能で迷った時は必ず元の位置に一度戻ってまた探しに行きます。
人間も「初心忘るべからず」といって、出発の時の原点に戻るという心が非常に大切です。
しかしともすると迷路にはまってしまうと、元を忘れて枝葉ばかりを追いかけて脱線してしまうことがよくあります。
迷路にはまってしまうタイプの人は恩や義理を忘れやすい人ではないでしょうか。
今さえよければよいというのは間違いの始まりです。
「ワインと友達は古いほど良い」という諺があります。
次々に友達を変えていく人も薄情な人かもしれません。
恩や義理を忘れる人の運命は必ずゆきづまるものです。
時に親代わりのように恩のある仲人を粗縁にすると、自分の持ち物が人のものになってしまうという不思議なことがあります。
初心忘るべからずのように、元一日の恩を大切にする人は迷路にはまることは少ないのではないでしょうか。