喜び方の研究(その10)

 おいしいものばかりを食べていると、人並みのものを

食べても、おいしいとは感じなくなってしまいます。

 まずいものばかりを食べていると、人並みのものを食

べられた時はおいしさに感動します。

 楽ばかりをしていると、人並みの苦労に耐えられない

弱い人間になってしまいます。

 重労働をしている人は、三分間のひと休みは天国の

気分です。

 楽を求めている人には楽はなく、苦労を求めている人

には苦労は感じないのではないでしょうか。

 真実に人のためを思って働いている人は、その苦労を

尊いことと思っているから、バカらしいとか疲れたとは

感じません。

 苦労が大きいほど自分は素晴らしいことをしているの

だという喜びを感じます。

 人のために汗を流した後に飲む一杯の水ほどおいしい

ものはありません。

 また、自分のための苦労であっても、自分を鍛えよう

と思っている時は苦労を苦労とは思いません。

 心を低く落として努力をしている時は、どんなことで

も喜べます。

 自分を磨こうとか、自分を鍛えようとかと思わないよ

うな高い気分の人間になると、何もかもめんどかさがり

やになって、喜びの心は消えてしまうものではないで

しょうか。

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