喜び方の研究(その14)

 汗を流した後に飲む一杯の水ほどおいしいものはありま

せん。

 特に人のために頑張った後に飲む水はとてもさわやか

です。

 人間は一人では生きられない生きものであるためか、人

のために何かをやったという達成感が満足気分となります。

 そして人のために尽くしていると、尽くす喜びというも

のを感じられるようになってきます。

 また、人のためを考える人は、人が自分に誠意を尽くし

てくれると、その気持ちがよくわかるから感謝の気持がわ

いてきます。

 あまり誠意のない人は、人の誠意がわからないので感謝

はわいてはきません。

 いくら尽くされても人のまごころに心を打たれることも

ありません。

 ましてや大自然の恵みに守られているなどという感覚も

わからないからまさに動物的です。

 自己中心的な喜び方をする動物には、感謝というものは

ありません。

 人間らしさとは、感謝の溢れている姿ではないでしょうか。

 枕元に御馳走が山のようにあっても、水一滴喉を越さな

いといって苦しんでいる人のいることを思うと、自分はま

だまだ恵まれすぎているといってしみじみと感謝する時が、

一番幸せな時ではないでしょうか。

 感謝のない人は、人間社会からはみだすようにできてい

るのかもしれません。

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