人の値打ちはわかりにくい

 桜の花は美しい。

 紅葉も美しい。

 藤の花も美しい。

 しかし、その花をちぎって、何が美しいかを調べてみて

もわかりません。

 少し離れてみると、心を奪われるほど美しく感じるのは

なぜでしょうか。

 同じように人間もあまりに近くで見ても、その人の素晴

らしさはわからないものです。

 時計の歯車だけを見ても、その時計の価値はわかりま

せん。

 全体で見て、その正確さで時間と共にだんだんとその時

計の値打はわかってくるものです。

 人間もその人の一部だけを見て、長所だ短所だといって

ほじくってみても決してわかるものではありません。

 短所と思えることが長所であったり、長所と思えること

が短所であったりするから、時間をかけて全体を見なけれ

ば、その人の本当の値打はわからないものではないのでし

ょうか。

 だから、人は見かけだけではわからないとよくいわれて

いるのかもしれません。

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