しかたがない

 日本には「しかたがない」という不思議な言葉があり

ます。

 これは日本特有の言葉で外国語に翻訳することができな

いものです。

 「私にはどうすることもできません」とか「不可能です」

という時に使われますが、「なるようになれ」という捨て

言葉である時もあります。

 簡単に使うべき言葉ではないのに、日本人はいつも簡単

に使うのはなぜでしょうか。

 「長いものには巻かれろ」という風習が日本では長く続

いたことも一つの原因かもしれません。

 その上日本は他の国と違って、自由というものを戦って

勝ちとったのではなく、戦争に負けてアメリカから与えて

もらった自由であることも一つの大きな理由なのかもし

れません。

 だから自由の尊さがわかっていません。

 また、自分という人間の存在の尊さの意義も軽く考えす

ぎるから、今日本では毎年何万人もの人がしかたないとい

って自殺をしていってるのではないでしょうか。

 なんとしてでもという自由に闘う根性があって人間は磨

かれて成長していくものです。それをしかたがないといって

投げやりにも似た心になることはとんでもないことです。

 そんな心では人もたすけられないし、自分もたすけられ

ないのではないでしょうか。

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