勘違い

 定年になると一年以内に圧倒的な数の人が死んでいると

いいます。

 特に年金や保険を十分にかけて、家を建てた人に多いと

いうのですからちょっと考えさせられます。

 心配ごとはなにもなくなり、冷暖房完備で、暑さ寒さも

知らないでする仕事もなく、ゴロゴロしているのは一見幸

せそうですが、体も頭もなまってしまい、どんどんとボケ

ていきます。

 反対に、ちょっとひと休みをするヒマもなく、食事をす

るヒマもなく、夜寝るヒマもなく、病気をしているヒマも

ないくらいに忙しい人はなぜか不思議と元気です。

 人間は働くために生まれて来たものではないでしょうか。

 人間は困ることがなにもなければこんないいことはない

と思うのですが、しかし、それは少し違っているようです。

 いろいろな困難に直面するから、知恵も力もついて、心

身共にたくましくなっていくのです。

 そして忍耐も努力も生まれます。

 人間関係で苦しむから人間が磨かれます。

 貧乏であるが故によく働くことができます。

 それならば、困ることが起きる度に、ありがたいとか、

おもしろいと思っていれば、人生はこんなすばらしいこと

はないと思えてくるのではないでしょうか。

 楽を求める人に楽はないのかもしれません。

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