このお話しは音声で流れています。
企業戦争 |
近所に昔からのクリーニング屋さんがありました。人情が通って親しまれていましたが、十軒ほど先に大きなチェーン店のクリーニング屋さんができたために殆ど誰も来なくなりました。
そこは安くて速いからです。そのまた十軒先にもっとおきなチェーン店のクリーニング屋さんがやって来ました。
安くて速くて、その上高い技術できれいに仕上がります。さらに社員教育が行き届いているので非常に感じが良いからみんなが行くようになりました。
今までのクリーニング屋さんは閉店してしまいました。
今後どうやって生きていくのでしょうか。
非情な戦争とどこか違うのでしょうか。食うか食われるか命がけの戦いであるようにも見えます。
負けた人には悲惨な運命が待っています。
勝ったほうは喜びと希望に満ちてにこにこと暮らすことになります。
しかし人を喜ばせる競争に勝ったのですから、喜ばれた分だけ喜びが自分に帰ってきても当然といえば当然のことかもしれません。この競争はだんだん激しくなって、いまや、喜ばれる競争ではなく、満足を与え合う競争となってきました。
自分を無にして、相手の気持ちにどれだけなりきれるか、ということですから、人間性を磨きあう競争でもあります。自分のためばかりを考えて働いている人には、人の気持ちなど理解できるはずはありません。
やはり真の人間が勝利するという正しい法則が働いているのかもしれません。