このお話しは音声で流れています。
愛はみかえりをもとめない |
親心に勝る愛はありません。
子供のためならばどんな犠牲も犠牲とは思いません。
親は子共にどんなに尽くしても尽くしてもまだ足りないと思うもので、もうこれでよいとはいつまでたっても思うことはありません。
こんなにまでにしてやったのだから、と恩に着せて親孝行をしてもらいたいとみかえりを求めることはありません。
親孝行のできる人間になっておほしい、恩のわかる人間になってほしいと思っても、それはあくまでも本人のために立派な人間になってほしいと思う上からのことです。
親は子供に対してバカにもなれます。損もできます。プライドも捨てられます。
いつも子供の目線に立ってものを言います。
賢い子ほどそうした親の誠の心がわかります。
だから賢い子ほど親がかわいそうに思えてきます。
親孝行をせずにはいられなくなります。その誠がよく見えるからです。
だから賢い子ほど命がけで親孝行をします。
動物は親孝行をしません。
親を平気で見捨ててどこかへ行ってしまいます。
恥しいとも思いません。恩も義理も恥も知りません。
自分さえよかったらそれでよいと思っています。
しかし、親不孝をする動物もおりません。
親があって、子があるのですから親ほど尊いものはないとわかるその賢さが、人間らしさの始まりではないでしょうか。