このお話しは音声で流れています。
おもいやり |
電車の改札が自動になり、駅員が居なくなりだしました。
ホームに人が落ちた時は、お客様がこのボタンを押して呼んで下さいというのですから、人件費は節約になることでしょう。
さらには運転手も居ない電車が走るようになりはじめています。
今会社もコンピュータ化によって、ますます徹底した合理化が進んでいます。
家庭までもボタン一つで何でもできるようになり電化製品の競争が激しくなってきました。
人間がコンピュータを使うのではなく、今人間がコンピュータに使われそうになっています。人間でなくなりつつあるのかもしれません。
コンピュータには愛も感謝もありません。苦労がなくなればおもいやりもいらなくなります。冷たい歯車の一つに自分自身がなってしまった時、味気ないやりきれない毎日となることでしょう。
その時初めて人間だけが持っている笑顔が、心のこもった笑顔ほど美しいものはないと気づくのではないでしょうか。
心のこもった丁寧な言葉が、人の心を最高の気分にしてくれることにも気づくことでしょう。
表情も心を込めると、人間にぬくもりを与えます。
便利さが幸せをつくるのではなく、人の心の思いやりこそが人間世界をたのしく幸せにするものであることに人類は早く気づかねばならない時が来ているのではないでしょうか。
進化論どころではなく、今人類はコンピュータによって退化しはじめているのかもしれません。