ただ喜ぶだけなら、動物もみな同じです。
　人間には動物と違って感謝というものがあります。

　感謝とは、相手の気持ちに心から礼をいいたいものです。
　また、感謝の気持ちをこめて恩返しをする人もいます。
　この喜びの気持ちを自分だけのものにしないで、
お返しをしないではいられない人もいます。

　もし、この世が喜びと恩返しに満ち溢れたら、
何と人間世界は美しく暖かいものとなることでしょう。

　もしこの世が、他の動物のように、自分さえよければそれでよいとして、例えば、
エサを食べたら後は何もしなくなってしまったら、
なんと淋しいものになってしまうことでしょうか。

　欲が深いだけなら、次々ときりがなく求めるだけになり、また、高慢な心が強いと、
いい気になってみんな当たり前になってしまうことでしょう。

　人間には理性があるから、その喜びに感動して恩を忘れられません。
　まごころのある人なら、人のまごころに心を打たれます。
　良心のある人なら、その人の良心に響きます。

　そこが、人間社会の違うところではないでしょうか。


























　



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