「感情と理性のバランス」

 好きとか嫌いとか、感じが良いとか悪いとか、おもしろいとかおもしろくないとか、ということで動く人が急増しています。

 そういう感情の面も大切なことですが、しかし、人間から理性が失われていったら、果たしてどうなってしまうことでしょうか。

 人の為とか、勉強の為に何かをやるとか、善悪の判断や分別という理性の部分がどんどん減少していけば、ただの動物の世界と何ら変わらなくなり、人間社会の進歩発展はなくなってしまいます。

 今さえよければよい、自分さえよければよいという快楽主義の世の中になれば、人類は間違いなく亡びるしかありません。

 日本は今、豊かさからの崩壊が始まっています。

 自己主張とわがままとをはき違えて学校も家庭も狂い始めています。

 子供が王様になって大人が怯えています。

 好きか嫌いかでしか考えない人間ばかりになったら、動物の世界よりも恐ろしいものになってしまうことでしょう。

 今、知性とか分別を教えられる人がいなくなりつつあります。

 それはぜいたくや豊かさの中では教えられないのかもしれません。

 貧しさや節約の生活の中で、感情と理性のバランスは育っていくものではないでしょうか。

人間を滅ぼすものは、豊かさである